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でばがめ やじうま おっちょこちょい

読んでおもしろかった本、気になる人、心に残った言葉を紹介します。

ポートランドについて

ポートランドを知っているか?

ポートランドはアメリカの北西部(緯度は北海道の稚内市と同じ!)に位置する、人口60万人程の中規模都市だ。

ナイキやコロンビアの本社が近くあり、独立系広告エージェンシー・ワイデン+ケネディの拠点でもある。

 

つい3年前まで、私はその存在すら知らなかった。(一見した際、ポーランドかと思った)

きっかけは、ポパイの2014年7月号。ただこの時も、ふ~ん、へ~えと思うくらいであまり気に留めはしなかった。

POPEYE (ポパイ) 2014年 07月号 [雑誌]

POPEYE (ポパイ) 2014年 07月号 [雑誌]

 

 ただその後、ポートランドがきているのだ!という実感は、周りに起こる小さなムーブメントから次々と感じることになる。

例えば、サードウェーブコーヒーといわれる新しいコーヒーの形。サードウェーブといえば、カルフォルニア発祥のブルーボトルコーヒーが代表格として有名ではあるが、ポートランドもそのメッカとして知られている。

またクラフトビール、Farm to tableなどもさかんで、あの村上春樹も「おいしいレストランがたくさんある」と絶賛するなど、「食」の分野で注目が高まっている。

 

ポートランドが注目されているのは、食だけではない。

最も関心が集まっているのは、その「街づくり」といっても良いだろう。

ポートランドの特筆すべき開発事例のひとつに、「パール地区」という元倉庫群の大規模開発がある。「ミクストユースト」という考え方を軸に取り組まれたこの開発は、職(オフィス)・住(住居)・遊(商業)が一体となった街づくりを行っており、都市部で問題となっていた空洞化が解消され、昼夜どの時間でも、街に賑わいが絶えない。

 

実は先日、そのポートランドを初めて訪れた。

念願の訪問だった。

 

冬は雨期だというが、私が滞在した4日間はこの時期では珍しいほどの快晴が続いた。

街の第一印象は、いちいちオシャレ・・・。単純だが、そう強く感じた。

ストアデザイン、ロゴ、サインなど細部にわたるまで、最先端のクールでモダンなデザインが垣間見えた。ただ、それだけではなく、古い建物をリノベーションして新旧がうまく融合をしており、なんともいえないいい味が出ているのだ。

 

また、住民の「ローカル志向」が強いため、チェーン店がほとんどないのも特徴で、カフェやビール、本屋にいたるまで、ここにしかない個性的なショップが続くため、買い物狂の好奇心もくすぐる街であることは間違いない。

 

ただ、これだけでは足りない。可能であれば、ぜひ街の人に話を聞いてみてほしい。

私も今回の訪問で、数人のポートランダーにインタビューをする機会を得たが、彼らの通底した価値観には「稼ぐことより、生きること」があった。

 

それは、ただの「夢追い人」の姿ではなく、消費社会が飽和した現代において、「次世代の新しい生き方」を体現しているように、私には感じられた。

 

日本でも今後、人口減少は続くし、経済もゼロ成長になる。

大それた話だが、未来の日本人の形もここポートランドにあるのではないか、と私は信じている。

 

私の考えを築いてくれた、二冊を紹介する。

ひとつは、ポートランド市開発局(PDC)で唯一の日本人である、山崎満広さんの著。

PDCは政府と民間をつなぐ、日本には見られない形の組織で、ポートランド開発の礎を築いた組織だ。

歴史から街づくり、PDCの体制まで、詳細に記述されている。

ポートランド 世界で一番住みたい街をつくる

ポートランド 世界で一番住みたい街をつくる

 

 

そして、もう一つ。

吹田良平さんの本は、ハードだけでなく人々の志向など、ソフトの部分にも光を当てている。

グリーンネイバーフッド―米国ポートランドにみる環境先進都市のつくりかたとつかいかた

グリーンネイバーフッド―米国ポートランドにみる環境先進都市のつくりかたとつかいかた

 

 

ポートランドはまだまだ発展途中の街。

これからも、ずっと、注目していきたいと思った。